行政書士ライターのあまぎです。
高齢の親のために、生前に親の預金を引き出すことは珍しくありません。しかし、この行為が原因で相続税の税務調査の対象となる可能性があります。
税務署は「相続直前の出金」に対して申告漏れがないかを厳しくチェックし、必要に応じて税務調査を行っています。特に、相続直前に行われた出金は、相続税の対象となる財産を意図的に減らそうとしたと疑われることがあるため、注意が必要です。
本記事では、相続税の申告時に陥りやすいミスについて解説します。
引き出した預金を相続財産に記載する際のミス
申告時には、引き出した預金も必ず相続財産に含めて申告しましょう。
例えば、生前に「葬儀費用」として引き出した預金も相続財産に含める必要があります。
仮に相続財産が500万円あり、葬儀費用として100万円を引き出した場合は、以下のように記載しなければなりません。
〇(正しい記載例)
・預金残高:400万円
・現金:100万円
・葬儀費用:-100万円
×(間違った記載例)
・預金残高:400万円
・葬儀費用:-100万円
上記の間違った例では、「現金」の部分が記載されていないため、引き出した現金の扱いが不明確になります。その結果、相続税の申告漏れとなります。
相続税の税務調査は、国税庁が発表している統計では申告を行った家庭の約9%で実施されています。これは、相続税を申告した人のうち、およそ11人に1人が税務調査を受ける計算になります。
特に、申告書に記載されていない財産や、申告書の作成を税理士に依頼していない場合には、調査の対象となる可能性が高まります。
まとめ
親が亡くなる直前に預金を引き出すと、税務署から注目される可能性が高くなります。そのため、適切に処理しないと税務調査で申告漏れを指摘される恐れがあります。
引き出した預金の使途を相続税申告で正確に処理し、明確にしておくと安心です。
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