相続した車を放置すると〇万円の罰金が…?手続き時に知っておくべきポイント【完全解説】


こんにちわ、行政書士ライターのあまぎです。

家族がもしも亡くなったとき、家族の車はどうすれば良いのでしょうか?

たとえ車に価値がないような場合でも、車は相続人全員の共有財産となり、きちんと手続きをしないと、税金のトラブルや保険の未適用となる可能性があります。

本記事では、「名義変更」「廃車手続き」、そして「自動車保険の等級相続」まで、円滑に進めるためのポイントを分かりやすく解説します。

車の名義変更とは?


車の所有者が変わったときに行う手続きで、車を相続したり、中古車を購入した場合などに必要な手続きです。

名義変更の期限

名義変更は、車が自分のものになった日から15日以内に行う必要があります。
相続により車を取得した場合は、相続開始から3ヶ月以内に行う必要があります。

変更期限を過ぎてしまうと、最大で50万円以下の罰金(道路運送車両法 第13条)が科されることがあるので注意が必要です。

名義変更を行う場所


普通自動車の場合は、「運輸支局」や「自動車検査登録事務所」で手続きをします。
軽自動車の場合は、「軽自動車検査協会」の事務所や支所で行います。

名義変更に必要な書類と手数料

名義変更を行う際、普通自動車と軽自動車では必要な書類と手数料が異なります。

普通自動車(必要書類)

普通自動車の名義変更に必要な主な書類は以下の通りです。

(1)自動車検査証(車検証):原本。
(2)印鑑証明書: 新旧所有者のものがそれぞれ必要(発行から3ヶ月以内)。
(3)譲渡証明書: 車を譲渡する際に必要。旧所有者の実印を押印。
(4)委任状: 代理人が手続きを行う場合に必要。新旧所有者の実印を押印。
(5)車庫証明書: 新所有者の住所での保管場所を証明する書類(発行から1ヶ月以内のもの)。
(6)手数料納付書: 陸運局の窓口で入手。
(7)住民票(新所有者のもの):新所有者の住所を証明する書類(発行から3ヶ月以内)。

名義変更の手数料

普通自動車の名義変更にかかる費用はおおよそ4,000円~5,000円程度になります。

(1)移転登録手数料(印紙代): 500円
(2)車庫証明書の取得費用: 約2,500円~3,000円
(3)ナンバープレート代(変更がある場合): 約1,500円

軽自動車(必要書類)

軽自動車の名義変更に必要な主な書類は以下の通りです。

(1)自動車検査証(車検証): 原本。
(2)住民票or印鑑証明書: 発行から3ヶ月以内のもの。
(3)自動車検査証記入申請書: 軽自動車検査協会で入手。
(4)軽自動車税申告書: 軽自動車検査協会で入手。
(5)申請依頼書(委任状): 代理人が手続きを行う場合に必要。

軽自動車協会 名義変更(売買・譲渡・その他)https://www.keikenkyo.or.jp/procedures/change_name.html#link01

名義変更の手数料

軽自動車検査協会での名義変更手続きは、車検証の記載事項変更という扱いになるため、手数料は発生しません。

(1)住民票:200円~300円
(2)印鑑証明書:300円~500円
(3)ナンバープレート代:1,440円以上(変更する場合)
(4)保管場所標章交付手数料:500円
*(4)の保管場所標章は、2024年5月24日に公布された「自動車の保管場所の確保等に関する法律(車庫法)」の改正により、1年以内に廃止される予定です。

廃車する場合の手続きの流れ


廃車手続きには軽自動車と普通車では、手続きを行う場所や必要書類が異なります。また、手続きの詳細や必要書類は地域によって異なる場合があるので、事前に管轄の軽自動車検査協会や陸運支局に確認することをお勧めします。

車検証の所有者欄を確認


出典 軽自動車協会

車検証の所有者欄にローン会社やディーラーの名前が記載されている場合、その車の所有権はローン会社等にあります。ローンが残っている状態では、所有者の許可なしに車を廃車にすることはできません
ローンを完済すると所有権留保が解除され、車の所有者名義を自分に変更することが可能になり、車を廃車にすることができるようになります。

普通自動車(廃車手続き)

普通車を完全に廃車にする場合は、「永久抹消登録」の手続きを行います。

手続きの流れ
(1)自動車の解体を業者に依頼する
(2)解体が完了したら、解体報告記録日をメモする
(3)運輸支局へ出向き、ナンバープレートを返納する
(4)運輸局の窓口で必要書類を入手して記入する
(5)税金、保険料の還付申請手続きを行う

軽自動車(廃車手続き)

軽自動車を完全に廃車にする場合は、「解体返納」の手続きを行います。

手続きの流れ
(1)解体業者に軽自動車の解体を依頼する
(2) 解体業者から「使用済自動車引取証明書」と「ナンバープレート」を受け取る
(3) 軽自動車検査協会の窓口で以下の書類を受け取り記入する
- 自動車検査証返納届出書(及び解体届出書)
- 軽自動車税(種別割)申告書(地域によっては不要)
(4) 必要書類一式を軽自動車検査協会の窓口に提出する
(5) 書類に不備がなければ解体返納手続き完了

廃車にかかる費用

普通自動車の廃車費用は25,000円~45,000円、軽自動車は23,000円~40,000円が相場です。

普通自動車の廃車費用

普通自動車の廃車費用の相場は、25,000円~45,000円程度といわれています。廃車費用の内訳
(1)解体費用:1~2万円
(2)レッカー費用(車検が切れている、事故や故障で動かない場合)
(3)リサイクル料金:6,000円~18,000円

軽自動車の廃車費用

軽自動車の廃車費用軽自動車の廃車費用の相場は、23,000円~40,000円程度といわれています。廃車費用の内訳
(1)解体費用:1万円程度
(2)レッカー費用(車検が切れている、事故や故障で動かない場合)
(3)リサイクル料金:8,000円程度(未納の場合)

自動車保険の等級は相続できます


自動車保険の等級は相続で引き継ぐことができます。自動車保険は等級制度を採用しており、事故歴に応じて保険料が割引または割増されます。等級は20段階に分かれており、初めて契約する場合は6等級から開始します。事故がなければ1年間で等級が1つ上がり、等級が高いほど保険料の割引率が大きくなります。

名義変更と等級の引き継ぎ方法
契約者が亡くなった場合、一般的には相続人の代表者が保険会社に連絡し、契約者の変更を行います。相続人に配偶者がいる場合は、配偶者が代表者となることが多いです。手続きには以下の情報が必要です。
(1)証券番号
(2)新契約者の氏名、住所、生年月日、免許証情報

保険証券と新契約者の免許証を用意して、保険会社に連絡しましょう。受付が完了すると、契約変更のための書類が送付され、必要事項を記載して返送すると契約者の変更が完了します。

等級の引き継ぎは、同居している親族間で可能です。親族間で車を譲渡する場合、自動車保険の名義変更を行い、記名被保険者を変更することで等級を引き継ぐことができます。

まとめ

相続した車の手続きは、迅速かつ正確に行うことが重要です。

名義変更や廃車手続き、自動車保険の等級引き継ぎを適切に行うことで、罰金や税金のトラブルを避け、安心して車を引き継ぐことができます。

大切な人の思い出が詰まった車をしっかりと次に繋げるためにも、忘れずに手続きを行いましょう。

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